2023/02/01 17:00



 1月の終わりの頃、1つの呟きが料理界で話題になりました。
 それは料理研究家のリュウジさんが、「めんつゆ等を使った時短料理が流行ると日本の手間暇かけた食の文化が壊れますのでやめてください」という質問への回答の内容でした。

 ※その時のリュウジさんの呟きがこちら→https://twitter.com/ore825/status/1617524437104070669

 言葉がちょっと刺激的ではありますが、この呟きを受けた反響として、ごもっともだとかその通り!などといったものが多かったです。

 実は私もこの呟きを見た時、呟きの内容自体は極端ではありますが、時代に合わせないといけないというのは至極真っ当なご意見だなと感じたところはあります。

 勿論、昆布屋としては昆布等の素材を生かした出汁作りをしてほしいところもある。
 けれども、時間が掛かることは、共働きなどで料理できる時間がない人が増えてきた今の時代に沿わない可能性もある。

 そういった部分を感じてはいるので、両面性を大事にしながら、出汁をしっかり取る時は取る、忙しい時はリュウジさんのおっしゃるような時短料理をするというところがあっても然るべきなのかなと感じます。

 というより、これからは昆布を使った出汁作りをする機会が減るのではないかという危機感を持っております。

 【値上げで生活が苦しくなると、選択肢から昆布が外されるという仮説】

 まず家庭に関してですが、勿論上記にある通り、時間がない時は出汁を取るのが面倒という方もいらっしゃると思います。
 元々それは感じていましたが、今回のリュウジさんの呟きに賛同している方々のご意見を見ると、時短というものはかなり重視されていると改めて感じました。

 ただそれ以上に、昨今続く値上げで状況が変わってしまったのではないかと感じているところがあります。

 例えばスーパーでお買い物をすると想定してください。

 まずその日のメインとなるお肉だったりお魚は外せないですよね?
 次に外せないとなると、野菜や飲み物(牛乳、ジュース等)、卵。
 その次がお菓子などの嗜好品(特にお子さまのいらっしゃるご家庭は)。

 こういった買い物での必需品は値上げしているものも多いです。
 つまりはお財布事情を、生活必需品の時点で圧迫しているわけです。

 そうなると、昆布というものを回避して、出汁パックや調味料で代用するという形での節約は間違いなく起こっているはずです。
 それに加え、できる限り時短料理を意識している方からすると、昆布の選択肢は外れている可能性が高い。

 そのために、出し昆布を選択する人が今後益々減るのではないかという危機感を持っているわけです。

 【出し昆布を飲食店で使うことが減っているのではないかという仮説】

 昆布を使って出汁を取るのはご家庭もそうでしょうが、飲食店でも出汁を取っています。
 例えばうどん屋さんもそうですし、ラーメン屋さん、和風料理を出すところなど、様々なところで取っております。

 そういったところは「業務用出し昆布」を購入されて出汁を取ることもあれば、原料の昆布自体を購入されて出汁を取るといった形を採っております。

 そのなかで、今年度の業務用出し昆布の売上というのが、どうにも増えてこない。
 モノによっては、コロナウイルスによる緊急事態宣言や行動制限が発令されていた昨年度よりも売上が少ないという事態もあります。

 単純に考えれば飲食店で出し昆布を使用することが減ってきている証拠だと思いますが、直接的な原因を見出すことは難しい。
 そのなかで想定されるのが、「値上げ」という部分です。

 2022年度に入り、様々な要因から色々な物の値上げが始まりました。
 調味料、小麦粉、卵、更には電気代や重油代などなど。

 飲食店を経営されている方からしたら、電気代も材料の費用も多くが値上げをしていて苦しい状況になってしまったわけです。

 それでも、できる限りメニューを値上げせず、なおかつクオリティを落とさずに料理は提供したい。
 けど支出を抑えないとお店の経営は厳しい。

 そうなると、まずは仕入れる材料にテコ入れをすることになるのかなと。

 勿論お客様が目で見て分かるものは外せません。

 うどん屋さんだったらうどんの麺とかです。
 うどんに麺がなかったら、もはや汁ですからね。
 お客さんが来なくなります。

 となると、見た目では分からないけどコストを抑えられるものが候補になってしまうわけです。

 ここまで書いているとお分かりかと思いますし、それが上にあるリュウジさんの話題にも繋がるわけですが、昆布を使わずに、出汁パックや調味料で汁の味を作るというお店が増えたのかなと。

 更にこれらを使うことで、出汁を作るという調理工程を減らすことができる点でオペレーション削減に繋がり、人員を減らしても問題ないという、ある意味一石二鳥な展開になっているのではないかと仮定しているのです。

 言い方は悪いですが、昆布、そして出汁を素材から取るということの優先度は下がっているということになります。

 【今が当たり前だと思ってはいけないという忠告だと思って】

 このように、家庭でも飲食店でも出汁を素材から取るという形が減ってきているように感じます。
 勿論全く0になるわけではなく、例えば京都の高級料亭などは今後も素材から出汁を取るところはあるでしょう。

 ただ、減ってきているという事実を鑑み、素材で出汁を取るのが当たり前なんだと驕ることだけはしてはいけないのだという忠告だと思い、そういったお客様にどういったものをご提案していくかということを日々考えることにしたいと思います。

 ちなみにですが、当社で販売している「こんぶジェンヌ」というものは、利尻昆布・羅臼昆布・真昆布という3種類の出し昆布を刻んで乾燥したものですが、これは調理するお水にそのまま入れてもらうことで、料理中に出汁が出ているという利点もありますし、出汁を取った後の昆布をそのまま具材として楽しめるという一石二鳥な物でもあります。

 完全な時短ではないですが、出汁を取るのは意外に時間が掛からないものなんだよ!ということをお示ししている商品ではあるので、今後も各方面でアピールしたいと思っています。

 ※こんぶジェンヌの詳細はこちらからご覧いただけます。


 また2024年1月からは、こんぶジェンヌを顆粒にした「こんぶジェンヌ顆粒35g」の発売も開始しました。

 羅臼・利尻・真昆布をブレンドして顆粒にしたもので、昆布そのものを顆粒にしているので、昆布感をそのまま楽しめる商品となっております。

 こちらであれば出汁を取りたいものに顆粒を注ぐだけなので、素材昆布特有の「昆布を入れた後に沸騰させて・・・」みたいな工程を省ける、まさに出し昆布代わりになる商品だったりします。

 またいわゆる「出汁の素」だと昆布だけでなく何かしらの添加物や化学調味料が一緒に入っていますが、こちらの商品は本当に昆布だけを顆粒にしたものなので、そういったものは一切入っておりません。

 目安としては、水750mlに対して小さじ1杯分(1.5g)の顆粒を入れていただければと考えております。

 まさに「本当の出し昆布代わり」となるこちらの商品をお試しになってみては如何でしょうか。

 ※商品詳細は下記画像をクリックするとご覧いただけます。


 ※出し昆布も販売しています


【9月以降に発売した新商品】

 9月1日に「レンジで松前漬37g」を発売しました!


 こちらの商品はがごめ昆布を100%使用した昆布とするめ、タレが入っており、混ぜ合わせることで松前漬をお食べいただける商品となっております。

 そちらに加えまして混ぜ合わせて馴染ませた後に電子レンジで1分温めるだけで松前漬を食べることができる画期的な商品となっております。

 通常は冷蔵庫に数時間~1日置いてから食べることができるのが松前漬ですから、かなりの時短になっていること間違いなし!
 是非1度お手に取ってみてはいかがでしょうか。

 更に9月5日には「北海道産がごめ昆布30g」の発売を開始しております。


 こちらの商品は日本テレビ『ヒルナンデス!』様で取り上げられた「納豆昆布」として話題となった北海道産がごめ昆布を100%使用した商品となっており、刻んだがごめ昆布を乾燥した商品となっております。

 がごめ昆布は刻んだ状態だとかき混ぜた際にとても粘りが出るといわれており、100%使用していることでかなり粘りが出ると考えられます。

 「山形の出し」や浅漬け、松前漬けなどに使っていただくことをオススメしております。

 通販限定商品として「訳あり商品」を発売しております。
 塩ふき昆布と塩ふきしいたけの訳あり商品となりますが、製造工程は通常品と同じなため、従来の塩ふき製品と同じようにお食べいただくことができる商品となっております。

 こちらも合わせてご覧ください。



 10月1日からは佃煮昆布の発売を開始しております。
 「しそ昆布」、「ごま昆布」、「こもち昆布」、「角切昆布」、「とんがらし昆布」の5種類を発売中です。

 200g,300gタイプと少し容量の多いものを発売しておりますので、タッパーに移し替えて冷蔵庫保管することをオススメしております。



 11月15日の「昆布の日」からはこんぶジェンヌの姉妹商品「こんぶジェンヌとろろ35g」の発売を開始しております。
 袋のパッケージ、使用している昆布はこんぶジェンヌをそのままに、高級出し昆布として有名な羅臼、利尻、真昆布をブレンドしてとろろ昆布にするという、まさに「贅沢な旨味」を味わえるとろろ昆布となっております。

 

 2023年1月には、内容量が1kgのものを中心に容量の多いものの発売を開始しました。
 通販サイトの良いところとして、重たいものを大量に買っても、配送業者さんが自宅まで届けてくれるところがありますよね。

 その利点を生かして、大量に使いたい方向けに下記商品の発売を開始しました。

 

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