木曜の午後9時から放送される、「秘密のケンミンSHOW極」。

　1月19日の放送回で「富山おでん」なるものが紹介されていましたね。

　そのおでんなるものにはとろろ昆布が載っているということで、富山県らしいなということが言われておりました。

　※とろろ昆布とはこういったものです。

　なぜ富山県らしいねということになるかというと、富山県は昆布の消費量が多いことで有名なんです。

　だからこそおでんにもとろろ昆布を載せるのが富山県らしいなということになるわけですが、そんな富山県、昆布のなかでも「羅臼昆布」を食する方が多いことでも有名です。

　羅臼昆布は出し昆布のなかでも高級な部類に入るものでして、それが何故かというと、1年間で採取できる量が他の地区と比べると少ないことや、知床半島という雄大な自然にある川から流れてくる栄養分が豊富なので、出汁を取ると濃厚な出汁が出るということ、製品にするまでにもの凄い手間が掛かっていることなどがあげられるわけですが、そんな羅臼昆布を富山県の人達は多く食べているわけです。

　単純にどうして？と思うわけですが、それには北海道を巡る歴史が関係してくるんです。

　北海道は、江戸時代まで一部の地区を松前藩が統治しているだけの状態でした。

　そこから明治時代になり、北海道を開拓すべく、各地区への移住を推進することとなります。

　（江戸時代末期から開拓をしていたともありますが、本格的に始まったのは明治時代です）

　北海道という未知の世界へ移住するということは、様々な事情があったと思います。

　新たな土地を求めて挑戦した者。

　今の場所では生活が苦しいので、新天地を求めた者など。

　そういった移住をするなかに、富山県の方々もいたそうです。

　そのなかで、今の「羅臼地区」にも富山県出身の人が移住し、そこで漁業を中心に生計を立てるようになったとのことです。

　富山県の人が羅臼地区で漁業を中心に生計を立てたということは、昆布も採っていたに違いありません。

　その採取した昆布を故郷の人達に「北前船」を通して贈っていた人もいたそうで、そこから富山県の人達は羅臼昆布を食するようになったといわれているそうです。

　ちなみに「北前船」というのは江戸時代後半から始まった北海道と大阪を日本海を通って結ぶ航路のことで、北海道からは昆布やニシン、鮭などの海産物がもたらされたそうです。

　北海道への移住、そして「北前船」の存在が富山県で羅臼昆布を多く食する理由ということで、何だか日本の歴史を感じるきっかけですね。

　ということで、今回の昆布に関する豆知識ブログはここまで。

　次回は「昆布等で出汁を取るということに感じること」をテーマにお送りいたします。

　※羅臼昆布の詳細は下記からご覧いただけます。